ユーザー歓喜効果 (User Delight)

ユーザー歓喜効果、またはユーザーデライト(User Delight)とは、プロダクトやサービスを使用することで、ユーザーが感じる喜びや驚きの瞬間を指します。これは、期待を超えた使いやすさ、デザインの美しさ、またはユーザーが予期しない方法で役立つ機能などによって引き起こされることがあります。

ユーザー歓喜効果 User Delight 例

ユーザー歓喜効果がなぜ効果があるのか

ユーザー歓喜効果が機能する理由は、良い体験は満足度やブランドロイヤルティを高めるからです。歓喜したユーザーは、製品やサービスを継続的に使用したり、口コミで他の人に勧める可能性が高くなります。また、ユーザーデライトが高い製品は競合他社との差別化を図ることができ、市場での競争力を向上させることができます。ユーザーニーズのヒエラルキーで考えると、人は製品に対して機能すること・信頼できること・利便性が高いことは不可欠ですが、間規性は高くなくても最悪利用してくれます。但し、歓喜性を高くすることが人の感情面での印象を残すことができるため、ロイヤルティや口コミの向上が見込めるため、大事な差別化のポイントになります。

ユーザーニーズ ux 図例

ユーザー歓喜効果の参考例

Apple iOS16

例えば、上記の画像に使用されているiOS15からiOS16へのロック画面の変化を見てみましょう。iOS16からロック画面の時計のフォントを変えたり、時計の手前に画像を配置することができるようになりました。この機能により、ユーザーは自分好みのロック画面を作ることができ、歓喜に繋がります。しかし、改めてロック画面の機能を考えると、主にはセキュリティ観点で画面を「ロック」することと時計を表示することです。こちらの2点の機能性・信頼性・利便性に関しては特に変化はありません、iOS16ではロック画面の歓喜性(デライト)のみが変わりました。

MailChimp

メール配信サービスMailChimpではメールを送る一歩手前に、ボタンを押す猿の手のアニメーションが表示されます。この時はユーザーにとって大量のメールを送る一歩手前のため、このアニメーションは良いユーザー歓喜効果であると同時に意図的な壁の効果としても発揮しています。

ユーザー歓喜効果 User Delight 例 mailchimp

参考:

Getting real about delightful design (2017)

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記事の著者
松下村塾株式会社 代表 ウルフ松陰    Twitter
松下村塾株式会社の代表として、国内外の企業にデータドリブンなグロース戦略とUXデザインを提供。LIFULLやTinderなどの大手企業で成果を上げ、データ活用による成長支援に注力しています。2016年にグッドデザイン賞を受賞し、現在はデータ分析による成長に基づくビジネス書を執筆中。
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