ピーク・エンドの法則 (Peak-End Rule)

ピーク・エンドの法則とは、人がある体験を評価する際に、平均や合計に基づいて体験を評価するのではなく、体験の内の最高の瞬間(ピーク)と終わりの瞬間(エンド)を重視する法則です。このため全体験のみならず、ユーザーにとって一番良い瞬間と体験の終え方を考慮する必要性が重視されます。

ピーク・エンドの法則 Peak-End Rule UX 例

ピーク・エンドの法則がなぜ効果があるのか

人間の記憶が選択的であり、全体の経験ではなく特定の瞬間に焦点を当てる傾向があるからです。このため、人々は経験の最高点と終わりの印象に基づいて、全体の評価を形成することが多いのです。UXデザイナーは、この心理学的傾向を利用して、ユーザーにポジティブな印象を与えるプロダクトやサービスを提供することができます。

ピーク・エンドの法則の参考例

ニュースレター/メール配信サービス「Mail Chimp」はニュースレターを送る瞬間(ピーク)と送った後の瞬間(エンド)にユーザーの感情のコンテキストにあったイラストを表示することでピーク・エンドの法則を利用し、ユーザー体験を向上していると推察できます。

mailchimp ピーク・エンドの法則 Peak-End Rule UX 例
Mailchimp

また、あるオンラインショッピングサイトを考えてみましょう。ピーク・エンドの法則に基づくUXデザインの適用を検討する際、デザイナーは、ユーザーが商品を購入する際の最高の瞬間(たとえば、特別な割引やオファーが提示される瞬間)と、購入プロセスの終了後のページに焦点を当てることができます。これにより、ユーザーはサイトでのショッピング体験全体に対して肯定的な評価を持つことが期待できます。

参照:

NN グループ - https://www.nngroup.com/articles/peak-end-rule/

Evaluations of pleasurable experiences: The peak-end rule(2008)

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記事の著者
松下村塾株式会社 代表 ウルフ松陰    Twitter
松下村塾株式会社の代表として、国内外の企業にデータドリブンなグロース戦略とUXデザインを提供。LIFULLやTinderなどの大手企業で成果を上げ、データ活用による成長支援に注力しています。2016年にグッドデザイン賞を受賞し、現在はデータ分析による成長に基づくビジネス書を執筆中。
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