段階的要請 (Foot in the Door Effect)

段階的要請、またはフット・イン・ザ・ドア効果(Foot in the Door Effect)とも呼ばれる現象は、人が小さな要求を受け入れた後、より大きな要求にも応じる傾向が高まることを指します。この効果は、最初の要求を受け入れることでコミットメントを感じ、その後の要求にも同じように応じるようになるために起こります。段階的要請は、段階的開示と関連するコンセプトです。

段階的要請 Foot in the Door Effect 例

段階的要請がなぜ効果があるのか

段階的要請が機能する理由は、人々が一度コミットメントをすると、自己認識と一貫性を保つために、以降のお願いにも応じる傾向があるからです。自己認識理論によれば、人々は自分の行動に対して一貫性を持ちたいと願っており、そのために最初のお願いを受け入れた後、より大きなお願いにも応じることが一貫性を保つ方法となります。また、社会的な証拠の原則により、他の人が同じような行動を取ることが示されると、個人はその行動を追従する可能性が高まります。

段階的要請の参考例

Uber Eatsでは、ユーザーがスーパーの宅配依頼が完了する直前に、他の商品のクロスセル(関連商品の提案)を促すようになっています。ユーザーはすでに何らかの商品の購入にコミットしているため、まだ購入にコミットしていないユーザーよりもクロスセルに応じやすくなります。

uber eats 段階的要請 Foot in the Door Effect 例 UX
Uber Eats

参照:

The Effects of Monetary Incentives and Labeling on the Foot-in-the-Door Effect: Evidence for a Self-Perception Process (2010)

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記事の著者
松下村塾株式会社 代表 ウルフ松陰    Twitter
松下村塾株式会社の代表として、国内外の企業にデータドリブンなグロース戦略とUXデザインを提供。LIFULLやTinderなどの大手企業で成果を上げ、データ活用による成長支援に注力しています。2016年にグッドデザイン賞を受賞し、現在はデータ分析による成長に基づくビジネス書を執筆中。
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